ご入学おめでとうございます。
万物が美しく輝くこの季節に、皆様をお迎えできること、何よりと存じます。
心より歓迎をいたします。
本学の母体である愛知淑徳学園は、1905年日露戦争の最中に創立されました、愛知県で私立の高等女学校としては最も古い歴史を誇り、今年は121年目となります。
歴史の古いことはそれだけでも価値のあることですが、学園の長い歴史のどの一年をとっても、常に学生たちが夢を追い、光輝く存在であろうと努力をしていた。教職員はそうした学生たちを厳しくしかし心温かく育てようとしていた。そして、ご父母の皆様がお子様の成長を頼もしく、いとおしく見守っていた。そうした1年1年の積み重ねが120年間続いてきたことが尊いのです。
2週間ほど前、桜の花もまだつぼみだった頃、希望に満ちた若者たちが本学を卒業し社会に羽ばたいていきました。その桜も咲き、今、春爛漫。これからは皆さんが、学園の新たな歴史を築いていって下さい。
本学園は創立時から進取の気象があり、女子教育は家事と裁縫で十分とする明治の時代に英語や理科を必須科目としました。
反対する意見に対して創立者小林清作先生は「教育家が時代の動向を察知せず、その日暮らしの教育をしたらば人の子を損なう」と述べ、「10年先20年先に役立つ人づくり」を目指されました。
制服を羽織袴から洋服にしたのも、修学旅行を行ったのも本学園が愛知県では最初です。
こうした時代の動向に敏感な「10年先20年先に役立つ人づくり」は本学にも「伝統は、立ち止まらない」精神として、受け継がれています。
愛知淑徳大学は、学園70周年記念事業として、1975年に開学され、本年は50周年にあたります。
当初、入学定員100名の文学部だけの単科大学でした。その後、「伝統は、たちどまらない」精神のもと、時代と社会の要請に応え、学問分野を広げたり、深めたりしてまいりました。その結果、現在は12学部14学科16専攻、大学院6研究科となり、1995年に男女共学体制に移行したことも相まって、様々な学生が大学理念「違いを共に生きる」のもと集まり散ずる大学となりました。
皆さんは、本学に入学するにあたって、自分が学びたいことがある学部、学科、あるいは専攻を選ばれたことと存じます。
先ずは、初心忘れず、それを追求していってください。
大学の学びとは「自分の意思で、何かの関心をもち、自分で追求していくこと」にあります。
どうぞ、皆さんにとっての関心事についての知識を深め、追求する方法を学び、大学生らしい4年間を過ごしていただきたいと願います。
大学には専門分野だけでなく、様々の学びがあります。ボランティアに関心があればコミュニティコラボレーションセンター、留学ならば国際交流センター、インターンシップならキャリアセンターなど。
大学では、皆さんお一人お一人の意思が尊重されます。それだけに、自らが行動しなければ何も始まりません。
何かに興味を覚えたなら、先ずはセンター等を訪ね、それで関心を抱いたのなら、一歩踏み出してください。一歩踏み出せば、そこから見えることがでてきます。一歩一歩進み、いつの間にか変わっている景色を味わい、自分自身の可能性を広げていって下さい。
皆さんは本学の大学歌のタイトルのごとく「青春無限」です。
その歌詞のごとく「天の深みへ夢かかげて」大学生活を送られることを心よりお祈り申し上げます。
令和7年4月2日
学校法人 愛知淑徳学園
理事長 小林 素文